Ⅱ-3-8. OSSが動作するハードウェア

OSSが動作する基盤となるハードウェアについて、サーバ、クライアントといったそれぞれ利用環境に合わせたハードウェアの特徴を整理する。さらに、OSSを動作させるにあたって留意すべきポイントや課題についても述べる。

【学習の要点】

* OSSを動作させるサーバのハードウェアの選定にあたっては、使用する基本ソフトをハードウェアベンダがサポートしていることが望ましい。

* サーバのハードウェアのスペックの検討にあたっては、動作させるソフトウェア、想定されるアクセス数、およびユーザサイドからの性能要件などを考慮する必要がある。

* ハードウェアの選定に関するポイントとしては、使用するソフトウェアが動作可能であることや仕様が公開されていることを確認する必要がある。

図Ⅱ-3-8. OSSを動作させるハードウェアの特徴

【解説】

1) サーバ用ハードウェアの選定

サーバ用ハードウェアに求められる要件は用途によって様々であり、複数のネットワークインタフェースを扱う、特別なストレージデバイスを扱う、などが想定される。また、信頼性など、非機能要件に対応するため、各部品が冗長化された製品や、OSがダウンした場合でもネットワーク経由でハードウェアの制御が可能な製品などが存在する。さらに、サーバ用ハードウェアの場合、必要な要件がユーザ数など外部の条件によって変動する点に注意が必要である。

* 動作に必要となるハードウェア機能

オープンソースOSの各ハードウェアへの対応状況はそれぞれのOSによって異なるため、対応状況については各オープンソースOSのWebサイトや、ハードウェアベンダのWebサイト上で確認する必要がある。サーバ機において特に注意が必要な項目として、使用するストレージデバイスやネットワークインタフェースへの対応などが挙げられる。

* ハードウェアベンダによるOSのサポート

ビジネス用途のサーバにオープンソースOSをインストールして利用する場合、ハードウェアベンダによりそのOSの動作が保証されていることが望ましい。サポートされていないOSをインストールした場合、不具合があってもユーザ責任になってしまう、というだけでなく、ハードウェアの機能・性能の全てを活用できない可能性がある。また、ラックマウントサーバやブレードサーバなど、サーバ専用機として設計されたハードウェアは専用の管理ソフトウェアが用意されていることが多いが、これを活用できるのはベンダによって動作が保証されているOSのみである場合がある。多くのハードウェアベンダにより動作が保証されているオープンソースOSとしてはRed Hat Enterprise Linuxが挙げられる。また、Red Hat Enterprise Linuxと互換性が高いCentOSを代替として用いることが可能な場合もある。

* ハードウェアのスペックの検討

性能要件や、扱うデータ量などの各要件を元にハードウェアのスペックを検討する。要件を満たすために必要なハードウェア性能については、事例を元に決定することが最も確実性が高いが、Web上で公開されているベンチマーク結果などのリソースを参考にできる場合がある。

2) クライアント用ハードウェアの選定

クライアント用ハードウェアの選定に関するポイントを述べる。

* 動作に必要となるハードウェア機能

クライアントでは、基本機能に加え、使用するソフトウェアの要件に応じてグラフィックカード、サウンドカード、あるいは指紋認証デバイスや、ICカードリーダなどの対応が問題となる場合がある。クライアント用途で用いられるハードウェアはデバイスの多様性が高く、ソフトウェア側での対応が難しいため、対応状況について、各オープンソースOSのWebサイトや、ハードウェアベンダのWebサイト上で確認する必要がある。

* ハードウェアのスペックの検討

クライアントのハードウェアに求められるハードウェアのスペックは、クライアント上で動作させるソフトウェアが必要とするスペックによって決定することができる。サーバと異なり、ユーザ数などの外部の要因によって左右されることは少ない。

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