Ⅱ-3-1. 様々な形態のコンピュータシステム

OSSが動作するコンピュータシステムについて、集中システム、分散システムといったコンピュータシステムにおける形態の違いについて解説する。さらに分散システムについては代表的な分散システムであるクライアントサーバシステムとWebシステムについて触れる。

【学習の要点】

* コンピュータシステムのアーキテクチャは集中システムと分散システムに分類することができる。

* 集中システムとは、メインフレームと呼ばれる大型コンピュータでデータの処理を集中的に行うシステムである。

* 分散システムとは、ネットワークを通じて複数のコンピュータが協調して処理を行うシステムである。

* クライアントサーバシステムは分散システムの一種であり、特定の処理を集中的に担当するサーバソフトウェアとユーザが使用するコンピュータ上のクライアントソフトウェアが協調して処理を行うシステムである。

* Webシステムはクライアントサーバシステムの構成要素の内、クライアントソフトウェアとしてWebブラウザを用いるシステムである。

図Ⅱ-3-1. 集中システムと分散システム

【解説】

1) 集中システム

集中システムとは、メインフレームと呼ばれる大型コンピュータで、データの処理を集中的に行うシステムであり、1980年代までは情報システムの主流となっていた。現在でも信頼性が求められる分野では引き続き用いられている。

* 集中システムのメリット

- 高度な運用管理、セキュリティ管理の仕組みがあらかじめ用意されている。

- 一般に信頼性が高く、高負荷時の性能に優れる。

* 集中システムのデメリット

- ハード・ソフト両面に高い耐障害性が求められるため、導入コストが非常に高い。

2) 分散システム

分散システムとは、ネットワークを通じて複数のコンピュータが協調して処理を行うシステムであり、現在主流となっている方式である。

* 分散システムのメリット

- 集中システムと比較して導入コストが低い。

- 耐障害性を持たせる、処理を高速化する、といった目的に応じた構成をとることが可能であり、集中システムと比較して拡張が容易である。

* 分散システムのデメリット

- 複数のコンピュータを管理するため、保守やセキュリティ、運用の管理が複雑になる。

3) クライアントサーバシステム

クライアントサーバシステムは、特定の処理を集中的に担当するサーバソフトウェアとユーザが使用するコンピュータ上のクライアントソフトウェアが協調して処理を行う分散システムであり、特にクライアントソフトウェアでビジネスロジックを担当し、サーバソフトウェアがデータ管理などを行う方式がかつての業務システムでは主流であった。

* クライアントサーバシステムのメリット

- 処理をクライアントとサーバで分担することにより、負荷の集中を軽減できる。

- 専用のクライアントソフトウェアにより、ユーザフレンドリなインタフェースを実現できる。

* クライアントサーバシステムのデメリット

- 専用ソフトウェアを各クライアントマシンにインストールする必要があり、管理が煩雑となる。

4) Webシステム

Webシステムはクライアントサーバシステムの構成要素の内、クライアントソフトウェアとしてWebブラウザを用いるシステムであり、現在普及が進んでいる。

* Webシステムのメリット

- クライアントマシンに専用ソフトウェアをインストールする必要がなく、管理が容易である。

* Webシステムのデメリット

- UIがブラウザの機能に限定されるため、操作性が犠牲になる場合がある。ただし近年はAjaxなどの利用により、専用ソフトウェアと同等の使い勝手を実現する例も増えている。

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