I-12-6. TCP/IPネットワークにおける管理作業

TCP/IPネットワークにおいて求められる具体的な管理作業について説明する。ネットワーク層におけるIPの働きを解説し、IPレベルの管理手法について解説する。

【学習の要点】

* ネットワーク層におけるIPアドレスは、各ノードを区別するための識別子である。同一LAN内で各ノードにはユニークな値を設定することで、他ノードと区別して通信ができるようになる。

* 各LANネットワークにまたがるノード間で通信するために、ルーティングテーブルに基づいてIPのリレーを行う。これをIPルーティングと呼ぶ。

図I-12-6. ルーティング概念図

【解説】

1) ネットワーク層におけるIPの働き

OSI参照モデルにおいてネットワーク層に該当するIP(Internet Protocol)の働きについて説明する。

* IPアドレス

ネットワークに存在するノード(サーバやネットワーク機器など)は、32ビット(IPv4の場合)の長さで表現されるIPアドレスによって識別される。ネットワーク上を流れるパケットのIPヘッダと呼ばれる部分に送信元と受信先のIPアドレスおよびMACアドレスが埋め込まれる。

* グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレス

IPアドレスには、インターネットで使用することを許されたグローバルIPアドレスと、直接インターネットと接続ができないプライベートIPアドレスがある。

* IPアドレスの分割

IPアドレスは、宛先のアドレスがどのLANにあるかを識別するためのネットワークアドレスと、LAN上の各ノードを識別するためのホストアドレスに分割される。

* IPルーティング

各ノードは、LAN上を流れるパケットをすべて受信した上で宛先MACアドレスが自分のMACアドレスと一致する場合にパケットの取り込みを行う。IPルーティングは、異なるLANに送信されたパケットを各ネットワーク間の制御情報(ルーティングテーブル)を持ったノード(ルータ)を経由して宛先IPアドレスまで送信するための仕組みである。

2) IPレベルの管理

* ルーティングの管理

インターネットでの通信では、パケットを宛先に転送するためのルーティングが行われる。小規模なネットワークではルーティングテーブルの更新は手動で行うことが可能であるが、インターネット上には莫大な経路があるためルーティングを行うためのプロトコルがある。

- スタティックルーティング

ルータ上のルーティングテーブルに手動で経路情報の記述を行う。これによりIPパケットを任意の経路で転送することができる。

- RIP (Routing Information Protocol)

隣接ホストと動的に経路を交換し、目的ネットワークにたどり着くまでに経由するルータをホップ数という値で数値化し、最短となる経路を決定するプロトコルである。

- OSPF (Open Shortest Path First)

各ルータが隣接するルータとのリンク状態をリンクステート広告 (link-state advertisement; LSA) として交換することでネットワーク・トポロジーのデータベースを構築する。その情報から最短経路ツリーを計算してルーティングテーブルを作成するプロトコルである。

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